3Dスキャナー、MakerBotとMATTER AND FORM
物体複製用のデータ作成に使える3Dスキャナーについて。
MakerBot社とMATTER AND FORM社のスキャナーについて比較してみた。
MakerBot Digitizer(写真左)
(特徴)
レーザーとカメラの高さ固定。上下にカメラが無いのでマルチスキャンは標準機能として必要。レーザー、カメラ側に明いてる部分があるので照明が設置しやすい。
スキャンの流。
ソフトを起動→キャリブレーション→スキャン→(マルチスキャン)→ファイル保存
スキャン中の画面
スキャンのポイント。
◯照明が暗いとキャリブレーションエラーが起きやすい。
システム(Mac版、MacOS 10.7)の印象。
◯スキャンが速い。1回転で上から下までスキャンするので速い。
◯スキャンしたデータに回転テーブルが出ないので余計な操作が不要。
◯スキャンしている形状を確認しやすい。
◯マルチスキャンが簡単。
◯対象物の光沢に対して結構強い。
◯カメラの高さが固定なので対象物の下部や高さの高いものの上部のデータの精度がどうか?
◯見えない部分が発生する(上下)。
◯ソフトの完成度は高い。
MATTER AND FORM 3Dスキャナー(写真右)
(特徴)
◯レーザーとカメラの高さが変わるので対象物の下から上までスキャンがしやすい。
◯コンパクトで持ち運びが楽。
スキャンの流れ(Windows)。
ソフト起動→キャリブレーション→スキャン(明るさチェック、スキャン)→スキャン終了→MFCファイル保存→編集モード※→クリーンアップ→ファイル形式変換、書き出し→ホーム画面
※チェック(FINISH)をクリックするとMFCファイルで保存するか聞いてくる。
スキャン中の画面
編集画面
スキャンのポイント。
◯照明が重要で、かなり明るい必要がある。
◯スキャン開始前にスキャナーのカメラ画像が表示されるので確認。スキャンを開始するとチェックが行われ、明るさが足りないとそのむねが表示される。
◯対象物は反射の強いものや半透明プラスチックの場合や黒いものではスキャンデータが不正確になったり、ノイズが発生する。
対策;対象物に小麦粉などの粉末を付着させるか塗装する。
システム(Windows版)の印象。
◯スキャンスピードが遅い。カメラの高さが何回か変わり、それぞれで1周スキャンするとかなりの時間を要する。
◯カメラの縦方向のスキャン範囲が狭いのので誤差が出にくい。
◯レーザー、カメラ側に空いている部分が無く照明が設置しにくい。対象物の表面の光沢が有るものや、薄いプラスチックではやたらとノイズが発生し、データが変化して、不正確なデータになりやすかった。対策として、小麦粉を付着させて、反射しにくくしたが結果としては改善はしたがまだ不完全。
◯回転テーブルまでスキャンされるのでスキャン後、手動で消去するのが面倒。
◯ソフトのガイドがネットにも無い。
◯対象物の置き方を変えて1回目のスキャンで見えなかった上下部分のスキャンをして、2つの画像を合わせることも出来るようだがまだやったことが無い。
◯スキャンのスピードが遅い。対象物の表面状態の影響を受けやすいのはソフトのに原因がある。
ソフトのスピードアップが望まれる。
システム(Mac版、MacOS 10.10)の印象 バージョン1.0。
◯カメラから見た画像はWindowsの場合はスキャン前、Macの場合はスキャン中でなければ見られない。WindowsとMacで同じ照明条件の場合、Macでは明るすぎる感じがする。
照明の明るさのチェックがされていない。
◯カメラの明るさの調整がされているのか不明。
◯スキャン結果の画像表示が悪すぎる。出来たデータは殆ど使えない。
(出来が悪すぎるため画像無し)
バージョン1.1
スキャン中の画面
○明るさに関し改善が見られ、スキャン中のカメラ画像が良くなっている。
○スキャン速度が速くなっている。
○スキャン画像も良くなっている。Windowsと同等。
○以前からあった回転テーブルの一部のスキャン画像に出る問題が解消している。
◯バージョン1.0では無かったプリファレンスが有り、システッムの設定が出来る。
スキャン結果。
MakerBot;Macでテスト。
NATTER AND FORM;Windowsでテスト。カラーでオートモード。
画像データ形式;STL
プラスチック容器。サイズ;外形 55mm、厚み 28mm
(左)MakerBot (右)MATTER AND FORM
食品の容器。サイズ;外形 46mm、高さ 88mm
(左)MakerBot (右)MATTER AND FORM
置き物
(左)MakerBot (右)MATTER AND FORM
まとめ。
MakerBotよりもMATTER AND FORMの方が細かいスキャンが出来る。
MakerBotのスキャナーのソフト面での完成度は高く、MATTER AND FORMについてはスピードは遅い。Windows版のソフトはよく出来ている。Mac版についてはバージョン1.0から1.1に変わりやっと使えるレベルになったと思う。スキャン結果が完全で無い場合もあり、画像の修正がどうしても必要な場合もあり、3D CGソフト、例えばSHADE 3D、Blender等を使うのが無難と言える。