デジカメの画素数とインクジェットプリンターの関係


最近、ますます高画質化するデジカメ、一眼レフのみならず、コンパクトでも2,0000万画素のものまで登場している。ここで、カメラとプリンターの関係について少し触れたい。

CAMERAPRINT
まず最初に、デジカメの画像素子だが、例えば1,000万画素のデジカメのCMOSの画素数は横、縦の比が4:3の場合、3,655:2,742 になります。


次にプリンターの解像度についてですが、仕様書で5,600dpi x 1,400dpi、ドットサイズ1.5dpiと書いてある場合、最初の数字は最大値で、長さ25.4mmの中にインクのドットが5,600個並んでいるという意味で、次の1,400dpiは最少値で、1,400個のドットが並んでいうことです。インクのドットサイズとは、インク1滴の量のことで、例えば1.5pl(ピコリットル)はインクの最少量であり、解像度が下がると量は増えます。
一般の家庭用インクジェットプリンターでは、
仕様で5,600dpi x 1,400dpiとあった場合、5,600dpiは1mm当たり5,600/25.4=220.5ドット有ることになります。

A4(297x210)では、ドット数は横方向で65,480ある計算になります。ところが、実際はどうかと言うと、インクジェットの場合、1滴のインクが丸い形状に広がり、隣のインクと接触しないためには円の寸法+隙間が必要です。

現状では、インクジェットの1滴のインク量は1.5plとか1.8plとか有り、インクの種類にもよりますが、この場合、1.5plでは5,600dpi程度、1.8plでは2,800dpi程度です。では、9,600dpiとかははどうなのかと言うと、確かにこれでも印刷は可能ですが、インクのドットが繋がってあまり奇麗なものにはならない。問題は最少のインク量にあります。ヘッドのインクのノズルは9,600dpiの間隔で作られているが、そのまま使えるとは限りません。インクの種類、1滴の量、印刷する紙の質の影響が大きいと思います。

プリンターの仕様書のdpiをそのまま使えるとした場合でも次の事に注意していただきたい。

インクの各ドットは1個で全ての色を出している訳ではなく、例えば、RGB方式で考えた場合、R、G、Bそれぞれに256段階の色濃度を付けて、256X256X256で1,670万色を出しています。256段階の色濃度の出し方は16X16個のドットで出しています。つまり、縦16ドット、横16ドット(計256)で1つの色を出しています。人間の目では各ドットは判別出来ません。

実際のインクジェットプリンターでは4~8色のインクを使っているCMYK方式のものが多く、RGB方式ではないが、基本的には似ています。

 
印刷で出せる画素数の換算

画像変換
デジカメの1画素が印刷時にはインクのドットの集まりで表現される
ドット全体で1つの色を表現(1色/1,670万色)

RGB方式として説明すると、

5,600dpiの場合、ドット間の間隔は25.4/5,600=0.00453nnであるが、256X3=768ドット(縦横28X28)で写真の1つの点の色を表現したとすると、ドットの集まりの幅(中心点間距離)は0.00453x(28-1)=0.122mm、つまり、0.122x0.122の大きさで写真の1画素を表示させていることになります。そこで、例えば、A4(297X210)のサイズで写真を印刷した場合を考えると、横方向は297/0.122=2,434画素しか表示出来ないことになります。縦は210/0.122=1,721画素になります。総画素数は2,434x1,721=4,188,914(419万)画素になります。では、写真のデジタルのデータはどうなるのか?と言うと、印刷する時点で圧縮されてから印刷されることになります。

つまり、420万画素のデジタルカメラと1,000万画素や2,000万画素のデジタルカメラでは印刷結果には差が無い事になります。もし、全体が収まればだが。或は写真の一部しか印刷されないかもしれません。

同様に、A3では,横は420/0.122=3,443。縦は2,434。総画素数は3,443X2,434=8,380,262(838万)画素。

L判(127X89)では横127/0.122=1,041。縦89/0.122=730。総画素数は1,041X730=759,930(76万)画素。

 

5,600dpiの時の印刷サイズとデジカメの画素数の関係を整理すると
印刷サイズ     デジカメ画素数
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L判         76万画素以上
A4                             419万画素以上
A3                             838万画素以上
A2                             1,676万画素以上(A3X2)
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別の例として、エプソンのEP-902の場合を計算。

解像度;5,760dpix1,440dpi

インクは5色+黒、インクのノズル数;180x6=1,080

ノズルの配置は縦横32x32+56となるので、32x32として計算します。

ノズルの間隔は25.4/5,760=0.0044mm、32個のノズルの幅は(32-1)x0.0044=0.1364となり、A4の横方向の換算画素数=297/0.1364=2,177。

縦方向は210/0.1364=1,540。総画素数は2,177X1,540=3,352,580(335万)画素となります。ところで、ノズルの間隔が狭すぎて作れないと考えているのは早計。なにもそのまま作る必要はなく、何個か開けて作り、それを数ブロック作って、全部同じ所に合わせると奇麗に並べば良い。


以上のように、A4サイズの印刷で表現出来る写真の画素数は400万画素程度です。デジカメの高画素数のデータはデータの利用方法や、写真の一部だけを印刷する場合や巨大な印刷でも考えないと意味がありません。しかも、個人レベルではプリンターもA3程度までだと思います。

この印刷に関して、参考にエプソンの製品情報サイトでは最初の表の中で、A4を例に見てみると、約400万画素以上で必要十分な画素数となっており、私の計算と同じようになっています。

カメラは高画質になったが、現在のプリンターのレベルを考えると、カメラの高画質はどう見ても販売競争が先行しすぎている感があります。ところで、カメラには写真の画質(サイズ)を設定出来るようになっていますが...。面倒だから変えてないですか?メモリも安いですし。

結局、誰でも高画素数のカメラを好む傾向はありますね。これはスペック好きと言うことかな。では…。